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「っ!うわ…………やだ」
慌てて顔を擦って、頬を手のひらで叩く。
あぁ、もう……冷水で顔をばしゃばしゃ洗ってしまいたいくらい!
『……なんつー顔してんだよ』
……仰る通り。
だけど、小野寺さんも小野寺さんだよ……。
私が動揺するのわかってて、わざとからかってきて。
至近距離であんなことされたら、そりゃクラクラするに決まってる!
「……エッチはどっちだよ」
無意識にため息が漏れる。
「ぅえ!?な、なんすか!?」
段ボールを抱えた厨房の学生アルバイトくんが、背後に登ってきているのに気づかなくて、その妙にテンパった大声に我に返る。
「あ、ごめん……ただの独り言」
っ、いけない……仕事中、仕事中!
披露宴会場の確認!
はぁ……小野寺さんには、ホント振り回されっぱなしだよ。
邪念を振り切るように思いっきり深呼吸して、私はフロアへと足を踏み入れた。
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