まっすぐに

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凌輔さんが少し改まった様子で「侑、よかったら今度飲みにでも……」と誘うと、小野寺さんは「あー……」と曖昧な返事。 きっと、新木さんに遠慮しているのかもしれない。 すると当の新木さんが、あっけらかんと言い放った。 「行ってきなよ!別に浮気だなんて思わないわよ!」 唖然とした顔で絶句する小野寺さんと……私。 「おいっ、いずみ……!」 凌輔さんが慌てて制すけど、新木さんは構わず続ける。 「小野寺くん、ごめんね黙ってて。私……実は、凌輔から全部聞いてたんだ。昔二人が付き合ってたことも」 「は……なに考えてんの?お前……」 小野寺さんは、怪訝な表情で凌輔さんを睨む。 そんな小野寺さんに凌輔さんは、 「もう一度結婚前提に付き合ってほしいっていずみに言うとき、全部話したんだ。侑との過去を、僕は悔いてる訳じゃないから」 そう、真っ直ぐに言い切った。
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