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「ビックリした……。小野寺さんが感情的になるところ、初めて見たかも……」
「お、俺もですよぉ」
「鳥飼あんたは突っ込みすぎ!空気読みな!」
「すんませんって……だってめちゃくちゃ絵になる二人だったんすよ、小野寺さんとその人!」
佐野ちゃんと鳥飼くんが言い合いをするなか、私の視線は、もう見えないはずの小野寺さんの背中をいつまでも追いかけていた。
ねぇ、小野寺さん……
私こういう時の勘って鋭いんですよ。
だって、偏頭痛なんてホントはないでしょう?
その人って、もしかして、もしかしなくても……。
『アイツとはとっくの昔に終わってんだ、俺が今更何を気にするって?』
『この際、俺と付き合ってた過去なんて無かったことにしてくれた方が、こっちも気が楽だわ』
どんなときでも冷静沈着な小野寺さんの表情を、一瞬で崩す『アイツ』って…………誰なんだろう。
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