超人と呼ばれる男

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今私の目の前に居るのは、来年の4月に結婚式を挙げる、20代前半の初々しいカップル。 「う~ん、迷っちゃうね。どうしよう」 招待状のデザインを見比べて、こっち……いや、あっちかなぁ……と悩む彼女。 そんな彼女がよほど可愛いらしく、頬杖をつきながらその様子を眺める彼氏の表情は愛情に満ちている。 「俺には同じように見えちゃうけどなぁ」 「えー、全然違うよ!違いますよねぇ原田さん!」 彼女に話を振られて、ついクスッと笑ってしまう。 「そうですよね、いいんですよ!じっくり悩んでいただいて」 「よかった!ありがとうございます~。一生に一度の事と思うと、なかなか決められなくて」 "一生に一度"………… って、普通はそう、思うよね。 そりゃあそうだ。 だって、これから結婚する二人なのだから。 23歳の頃の私も、そう信じて疑わなかった。 この幸せは……永遠に続くものだと。 でも―― 結局私たちの間に、"永遠"は無かった。 だからこそ、切に願ってしまうんだ。 このお二人は、いつまでも幸せに。 そして何年経っても何十年経っても思い出して笑顔で語り合えるような、想い出に残る結婚式を、と。
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