プロローグ

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プロローグ

司会者の華やかな美声が、会場内に響き渡る。 『さて、温かい祝福のもとで、こうして皆様と過ごして参りましたお二人の結婚ご披露宴も、そろそろお開きの時間となります。 お二人のためにお集まりくださった皆様に、本日一番の感謝の気持ちを込めまして、 主役のお二人と、ご披露宴に携わらせていただいたスタッフ達によります、オールキャストフィナーレです!』 この台詞が合図となり、照明を一度落とす。 同時にガーデンに面したカーテンにスポットを当てる。 ゲストの視線が集まったところで、 一気にカーテンオープン! 一面ガラス張りの大きな窓から、明るい光が会場内に広がって、ゲストから今日何度目かの大きな拍手が沸き起こる。 真ん中に、新郎新婦。 その横に両家ご両親、担当プランナーを始め、アテンダー、ヘアメイク、シェフ、サービススタッフ、音響、映像…… この結婚式に携わったほぼ全てのスタッフが、一列に並んでゲストの前にお目見えする。 花嫁の手紙と新郎の謝辞で、しっとりとした雰囲気で締めくくることが定番だけど、 ウチの式場では、感謝の気持ちを直接伝わる距離でゲストに伝えながら賑やかにお見送りする、この方法をとっている。 数えきれないほどの『おめでとう』に 精一杯の『ありがとう』でお返しする、 オールキャストフィナーレ。 私、この演出が特別好きなんだ。 笑顔と笑顔を結ぶ、結婚式。 ブライダルプランナーの仕事は、きっと私にとって天職だ。 お二人の幸せが、永遠に続きますように………… 一組一組に、思いを込めて。
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