第一夢、××部屋

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第一夢、××部屋

━━━━━━ ━━━━ ━━ ジリリリリリリリリリリーッ! ガチッ 『ふわあ~あ……』 ふう、今日も学校かあ……だるい…… まあ腹減ったし朝食朝食っと 『おはようございます。お母さん』 お父さんは朝早くから出勤。 いつも通りの朝だ。 「おはよう、渉。って、もう!また耳と尻尾出したままにして!朝から体がたるんでるわよ!」 『へ?耳?尻尾?なんのこと??』 「もお!何寝ぼけてるのよ!鏡見てきなさい!耳と尻尾しまってくるまで朝食禁止!」 『えええええ!』 「ほら!早く!」 『はい!』 どういうことだ?! 何だよ!耳と尻尾って……俺は夢でも見てるのか… お母さんおかしいよ、急になんで……って 嘘だろ…… 鏡の前に立った俺の頭には……なんと、 フサフサの獣耳みたいなのが生えてて お尻からは大きな尻尾がドーンと生えていた。 なんだこれ…… 『触ってみるか…』 俺は獣耳と尻尾を優しく撫でる。 温かい……気持ちいい…… 『本物だ……俺の神経が通ってる……』 すげぇ…… って、この尻尾…… 獣耳に尻尾って言うからなんかの動物かなあとか思ったけど、、この尻尾で俺が何の動物かすぐ分かるぞ… タヌキだろ…… このふさふさに先っぽの方が大きくなっていく尻尾……加えて犬のような猫のような獣耳…… きっとタヌキだ。 ……にしてもこれを引っ込めないと俺は朝食を食べられないわけで…… どうするんだよ… ……とりあえず念じてみるか? ええい!引っ込め!引っ込め!! ボォンッ!! 『お?おおお!!引っ込んだ!!』 なんだ!簡単じゃないか!! 手を握る感覚というか踏ん張る感覚で獣耳と尻尾は引っ込んだ。 もしかして俺は器用なのかな~えへへ おっし!飯だ飯だ!! ━━━━━ ━━━ 『いってきまーす!』 「いってらっしゃい」 朝食を食べて徒歩20分で学校に着く。 これが俺の朝の日常。 でもまあ、朝からこの変な獣耳と尻尾があるせいで今の状況は普段通りでは無いんだが…… とりあえず、図書室行って調べるか…… お母さんは普通に過ごしてたからもしかしたら俺以外のみんなも獣耳のことは気にしてないかもだし…… まあ、もし獣耳が日常だったら俺の方が異常となる訳で…… 変に思われるよりは自分で解決した方が良いよな うん、朝イチから図書室だ! ━図書室━ 始業まで30分…… それまでにこの状況を理解しないとな 最悪の場合スマホ使おう…… 学校内ではスマホ禁止だけど…トイレならOKだよな? トイレは治外法権だ。 よし、情報収集開始!!! 25分後。 情報収集の結果… 俺たち人間は、一人一人何かしらの動物の化身みたいなものらしい。この世界では。 動物は野生にちゃんと居るけど、俺たち人間は、動物にもなれるし、半人半獣にもなれるらしい。 なにそれ、どこかのファンタジーゲームにありそう。 そんで、俺の今朝の姿は、半人半獣ってこと。 だけど、俺たち人間は基本人間の姿でいる。 獣姿や半人半獣は、基本的には御法度らしい。 何故なら、動物姿でいると本当に動物と間違えられ射殺あるいは確保されてしまう可能性があるため、そして、半人半獣でいると、人間と動物の潜在能力の掛合わせで最高の能力を発揮してしまい、生ける殺人兵器と化す可能性があるため禁止されているようだ。 まあ、確かに町中半人半獣で犯罪が飛び交ってたら怖いなあ。 そして、最後に1つ、半人半獣である場合、その動物の潜在能力だけでなく、逸話に関する能力も得ることがあるらしい。よって、そこから能力を悪用しようとする輩もいるため、自身の動物属性は基本的に他人には知られてはいけないという。 うわあ、めんどくさいなあコレ… つまり俺たちは一生踏ん張って生きていかないといけないの?疲れるじゃん… キーンコーンカーンコーン やべ、始業だ!
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