プロローグ

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最初は大嫌いだった。 いつもいつも小言ばかり。 どこでサボってても必ず見つけてくる。 本当にウザい奴。 誰もあたしに何も言わないのに。 自由にしてても何も言われないのに。 あいつだけは口うるさい。 本当に大嫌い。 大嫌いなはずだった。 なのにどこで歯車が狂ったんだろう? いつの間にかあいつの近くにいたいと感じるようになってた。 他の誰かに取られたくないなんて思うなんて。 あたしの中で何かが変化した。 初めて会った時から気になっていた。 小さくて意地っ張りだけど勇敢な彼女。 そんな彼女も立派なレディーになった。 しかし、すごく反抗的になっていた。 何が彼女をそうさせてしまったのか。 俺の知らない間に何があったのか。 気になるからずっと近くにいた。 見つける度に小言を言うものだから彼女には嫌われてしまった。 『好き』の反対は『嫌い』じゃない。 『無関心』だ。 『嫌い』なのは少なくとも俺に興味を抱いてくれているから。 『嫌い』を『好き』にするには大変そうだが、やってみせる。 だって、彼女は俺の運命の番なのだから。
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