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扉を開けると、甘ったるいフェロモンの匂いと生臭い精液の匂いが立ち込めていた。
保はアルファだ。オメガの桃のフェロモンの匂いに当てられ、保の一物は痛い程に勃ち上がり、本能のままに体が動きそうだったが、桃の状況を見て、全身の血が凍ったようになり、理性を保つことができた。
桃はシャツを破かれ、ボタンが弾け飛んでいて、ブラも千切られ、豊満な胸が露わになっていた。
スカートもパンツも破かれすぎて、原形を留めておらず、ただの布切れになっていた。
手首と首元に、見るからにかなり抵抗したと思われる鬱血痕が残っていた。
保が近づくと、先程までの恐怖が蘇るのか抵抗してきた。
「あ゛…い゛や゛…や゛だ…」
「桜井、大丈夫だ、俺だ」
「い゛や゛…来ない゛で…」
「久世だ。ここには俺しかいない。あいつらはいない」
「…い゛や゛…はな…じ…で…」
「俺は何もしない。体冷えるから服着ような」
桃はなけなしの体力で抵抗する。
そんな桃の状態が保には耐え難った。
あまりにもひどかった。
保は着ていた白衣を桃に着せた。
桃は薬を盛られたのか、目の焦点が合っておらず、意識朦朧としていた。
フェロモンをどうにかしようと、保は常備していた抑制剤と買っていた水を桃に飲ませる。
うまく水を飲めず、口の端から漏れ出てしまう。
水が口から流れ出てしまうので、当然薬も飲めない。
保はここが学校であるが、今は非常事態だと、自ら水を口に含み、桃に口づけた。
桃の口から水が零れないようにゆっくりと水を与えながら薬を飲ませる。
口に含んだ水を全て与えて、桃の様子を見るとちゃんと薬を飲み込めたようだ。
保の白衣で体を包み、急いで保健室に戻り、桜井家に連絡を取る。
鍵閉めは桃の件が終わってからでもいいだろう。それよりも桃のことが大事だった。
執事から桃が通院している病院の連絡先を聞き、担当医にこれから受診する旨を伝え、車をぶっ飛ばした。
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