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日常
今日も清々しい快晴の朝。
久世保は私立レガーロ学園に通勤中である。
保は養護教諭をしていて、生徒からは『くーちゃん先生』とか『久世』と呼ばれている。
教師としての威厳が全然ないせいか、生徒からは舐められている。
しかし、今日は違う。
今日は月に一度の抜き打ち生活指導日。
常日頃から口を酸っぱくして注意しているのに、正してこない生徒を一斉摘発するのである。
摘発された生徒は、生活指導室で反省文を書かされ、後日指摘された部分を直して生活指導室に見せに来なければならない。
生徒からはたまらなく面倒くさいイベントであるが、保からしたら、日頃の鬱憤を晴らす素敵なイベントなのだ。
私立レガーロ学園は幼稚部から高等部までのエスカレーター式のお金持ち校である。
かくいう保も卒業生だ。
保は高等部の保健室を担当している。
高等部ともなれば、授業に出たくない生徒が仮病を使って入り浸ってくる。
中には本当に容態の悪い生徒もいるが…。
仮病の生徒を追い返し、保健室の平穏を守るのが保の最重要任務だ。
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