第1章 秘密

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「……ありがとう。」 すると奴が、こっちを見た。 「何よ。」 「いや、礼とか言えるんだなと思って。」 はぁ? そこまで、私を馬鹿にしていた訳? やっぱり許せない、門馬雪人。 「って言うかさ。何でそんなに合コンに拘るわけ?」 「合コンに拘っている訳じゃないの。社長と出会いたいの?」 「社長!?」 奴は、飛び上がる程驚いていた。 「無理無理。」 「どうしてよ。」 「さっきだって、唐揚げと焼き鳥間違えたんだぜ?社長やってるハイスペックな男が、おまえみたいな女選ぶか。」 頭の上に、何かが落ちてきた。 頭が痛い。 ついでに、胸も痛い。 「いいじゃない、約束したんだから。」 「誰とだよ。」 「おじいちゃんとよ。」 「おじいちゃん!?」 門馬雪人は、またもや奇声を上げる。
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