第1章 秘密

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そこで、秋香と伊達さんが笑い転げて、今日の合コンまがいの飲み会は終わった。 お会計は、もちろん伊達さんが全部払ってくれて、それだけで得した気分になったのだけど…… 「家、どっち方面?」 伊達さんが右手を、左右に指さす。 「俺、右方向です。」 門馬雪人は、そのままタクシーを捕まえた。 「えっと……私は……」 私も右方向だけど、このままじゃあ、こいつと一緒になるから左って言っておこう。 「……左。」 「市川は、俺と同じ方向だろ。」 私は、目を大きくした。 「な、なんで知ってるの?」 「会社の飲み会の度に、酔って倒れたおまえを送ってるからな。嫌でも知ってるんだよ。」 「ひぃぃぃぃ。」
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