第1章 秘密

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秋香を見ると、ちゃっかり伊達さんと同じタクシーに乗り込もうとしているし。 「早く乗れよ。」 門馬雪人には、急かされるし。 もう、最悪。 仕方ないから、奴と同じタクシーに乗り込んだ。 「運転手さん、しばらく道なりで。」 そう説明する奴は、本当に私の家を知っているらしい。 「……家、私の部屋と近くなの?」 「まあな。」 門馬雪人の横顔を見て、またドキッとした。 高い鼻に、キリッとした目。 女子に騒がれるのも、分かる気がする。 「いつも、部屋まで送ってくれてたの?」 「いや。部屋までは一度だけ。」 う~~。 こんな時に、感謝しなきゃいけないなんて。 でも、ここはやはり大人として、お礼を言うべき。
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