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ハイ!私は高梨麻実。25歳でOLやってます。
趣味は音域がある声を活かして洋曲を歌うこと。
社員旅行のかくし芸大会で、物まねをやったらウケちゃって、意気投合した社員たちとバンドを結成することに・・・。
最初は趣味で始めたバンドだけど、あちこち面白がって顔を出していたら、大当たりして、土日はライブハウスで気持ちよく歌ってます。
今日は土曜日だけど、母の誕生日なので、ライブは休みにして、お祝いをしに久々に田舎の実家に帰ってきました。
「お母さん。ただいま。お誕生日おめでとう」
「ありがとう。プレゼントなんて気を使ってくれなくてよかったのに。帰って来てくれるだけで嬉しいわ」
一緒に住んでいた時は、変なところで女同志の意地の張り合いが出たりして、お互いの存在を優しく受け止めることに抵抗があったけど、こんなに素直に言われると、照れて思わず、わざとらしい話題転換をしてしまうのよね。
「あれ?お父さんとメアリーは?」
メアリーは両親が飼っているチワワで、家を出るまでは私に一番懐いていたの。
実家に帰る楽しみは、両親に会えるのもあるけれど、彼もいない私のありあまる愛情を、惜しげもなくぶつけられる存在があるのも一つの理由。
「お父さんはメアリーの散歩。もう戻ってくると思うわ」
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