【2】少女

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 目の前で誰かが倒れているのを見たら、普通はどうするのだろうか。  駆け寄る? 心配して声をかける? 助けを呼ぶ? まぁ大体こんなところだろう。  その中から選べばいいのに全く別の選択をするあたり、やはり俺は普通の人では無いのだと思う。 「そこ、良いのか? 」  俺は海に視線を戻して呟いた。少女は砂に横たわったまま動かない。 「砂浜で寝るのはいいけどさ」  返事はない。 「そろそろ日が暮れるぞ。帰ったほうがいい」  返事はない。 「……」  俺は砂浜に座った。 「あんた、誰だ? 」  そして尋ねた。返事は 「……んん」    言葉はあったが、返事ではなかった。  少女が起き上がった。
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