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波にさらわれた貝殻のコロコロと
転がるさまが可笑しくて
彼岸の花を逆さまにした線香花火
海の上に落とした花房ひとつ
サヨナラまたねと出会いに別れを告げて
指先で風を切る
緑青色の海も足元では透明で
遠く彼方に幽霊船のごとく記憶が
ゆらゆらり
だって、サヨナラすらも伝えてない。
昨日までそこに居たのに、あなた。
「ごめん」だけ残して永遠に。
昨日までのあなたは今はもう
ただの記憶に成り果てて
アルバムをめくっても出てこない、だって
写真 (カタチ) にしていないもの
フェイクファーの温もりは風が
吹かない時だけのフェイク
瓶詰めの手紙を白波に与えて
永遠に。
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