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流行りの
「あ、そういえばさぁー、願い事が叶えられるとしたら何をお願いする?」
放課後の教室で前の席の机に座って足をぶらぶらしている菜乃葉が質問をなげかけてきた
「何がそういえばなのか全然わからないんだけど」
今日の塾の持ち物になっているワークをササッとリュックにしまいながら
どこから派生した全くわからない質問につっこみをいれる
「今流行りのWeb小説だよ!『ハピネスノート』知らないの?」
「いや、そんな知ってて当たり前みたいに言われても知らないよ」
「ざんねん賞だよ!?」
なんだよ残念賞って意味わかんないし
そもそも流行りなんて僕には知りようがない
「友達がいない僕に喧嘩売ってるの?」
「私というすばらしいお友達がいるじゃない」
「うん、その唯一の友達が詳しく教えてくれる前にざんねん賞って意味不明なこと言ったんだけどな」
「まぁまぁ、落ち着きたまえ。そんなに慌てなくても教えてあげるから」
「何こいつウザイ。別に教えてくれなくてもいいんだけど」
「さて、ハピネスノートというものはですね、今流行りのWeb小説に出てくる物なんだけど...なんと!その本は......白紙なんです」
無視しやがった
「ノートでしょそれ、本じゃなくて
ただのノート。てか、ハピネスノートって名前からしてもうまんまノート」
「君、話は最後まで聞きなさい!てか、ノートじゃないから!本なの!いいから聞いて!」
「はぁ...どうぞ続けて?」
「あーー!なにそのめんどくせぇな...みたいな言い方!」
「いや、本当にめんどくさいから。ていうか話すのもいいけど早く支度してよ。最終下校時刻が迫ってきてるんだよ」
「へいへーい。んで、その本は1日に1ページずつ物語が書かれていくの。ほら!本でしょ!?」
支度はノロノロしてるのに、口はハイスピードで止まらない
「あー、本ってそういうことね?じゃあなんでハピネス『 ノート』なんだよ」
「そう!!ここからが本題ですよ!!」
え、なにいきなりテンション高くなったんたけど
...あ、この異常なテンションは元からか
「その、一日に1ページ書かれる物語って言うのが...あらまぁ、不思議!日記なんですよ?!しかも、未・来・の!」
なんだその安っぽいセールスマンみたいな話し方
「一日に1ページずつ物語が増えるって言うので十分不思議だと思うんだけど」
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