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腑抜けた清宮の声が可愛い。彼の唇から飲みきれなかった唾液が零れ、顎に伝っている。官能を刺激するようなエロい顔だ。
慧は清宮の下唇をゆっくりなぞった。ずっと触りたかった下唇。これからたくさん、甘噛みしたい。
「キヨさんの下唇って肉感的だよ。ずっと触りたいって思ってたんだ」
自分の声が甘く濡れている。
清宮が目をパチクリさせ、自分の唇を指で摘まんだ。
「ええ? これのどこが肉感的? アンジェリーナジョリーみたいにふっくらしてないけど」
「――彼女は膨らみすぎだと思います」
清宮的には、肉感的な唇イコールアンジェリーナジョリーらしい。なんだか可笑しくなって、笑いが込み上げてきた。
ひとしきり笑い終えたあと、慧は真面目になった。ディープキスまでしてしまったが、清宮にきちんと確認しておきたい。
「キヨさんは本当に良いんですか。俺と、性的なこと込みで付き合ってくれますか」
言ったとたん緊張してくる。慧は祈るような気持ちで、清宮の目を見つめた。彼の目元は、キスの余韻でまだ赤みが差している。
「良いって言ってるだろ。俺だって、気がついてなかったけどサトくんのこと好きだったんだ。一週間ゴミ拾いできなくて、サトくんに会えなくて寂しかった。昨日、遊ぶのも凄く楽しみだったんだ。あんなに頑張って服装決めたの、初めてだし」
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