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目の前に白い首がある。少し吸うだけで痕が付きそうな、くび。
思いのまま、唇を這わせ、白い肌を噛んだ。
「いった……サトくん! やめろ!」
清宮の憤った声が耳に入ってきたとたん、慧は我に返った。
顔を強張らせて、清宮が自分の首を手で隠した。
やってしまった。どんなに優しい清宮も、こんな行為は許してくれないだろう。言い訳なんて思いつかない。ないんだから。
「ごめんなさい」
詫びの言葉しか出なかった。
呆然としている清宮から視線を引き剥がし、玄関に走った。
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