16話職業クエスト

2/12
24人が本棚に入れています
本棚に追加
/301ページ
俺は空気を吸いながら空を見上げていた。気持ちのよい風が流れる中確かな足取りで、ギルドに戻った。 天界騎士団のギルドはやはり生暖かいほど気持ちがよかった。 不思議と拒絶感は感じない、当たり前な当たり前の日常がそこには存在している。 ウーラノスを倒して一日が経過した。疲れがまだ全部取れないこのごろ。 俺は、散歩していた。まぁ、情報集めもあるのだが。 もちろん残念なことに師匠から職業を選ぶようにとのお告げがやってきた。そろそろそんな時期になったか。 なんでこんな時期かというと、職業クエストのNPCが動き出す季節があるのだ。一ヶ月に一度。  それはやってくる。  俺たちは職業を決めるために、日々NPCの勧誘から逃げて本当にやりたい職業を探すのだ。  俺は途方もないほどに今日NPCの大勧誘にあった。それはクエストをやらないかという物であった。  まぁ、めぼしはつけた。  俺がやりたい職業は、花咲き爺さん。  俺がやりたのは『花咲き爺』職業なのだ。  これの利点といえば農作物をどんなところでも種さえあれば、数分で生やすことが可能。  しかも、土を肥やしたり水をやる必要がないために重宝されなかった。  そんなどうでもいい職業は誰もやらないし、そもそも花咲き爺さんを見つけるのさえ苦労である。一つの星に一人の花咲き爺さんがいる。  この惑星にも、花咲き爺さんがいるはず。今まさにクエストをやらねーかと勧誘しているはず。  俺はそいつを探していたのだが昼になると変な情報がやってきたNPCに聞き込みして分かったことといえば、花咲き爺さんが死んだということ後継者が見つからず幽霊になって墓場でうろついているとのこと。  とんでもない花咲き爺さんがいたものだ。墓場がどこにあるのか分からないからルミに聞くためギルドに帰還したのであった。  部屋という部屋を見渡すがルミは見つからない。すれ違うプレイヤーにたずねて返って着た答えはむなしいほど当たり前だった。
/301ページ

最初のコメントを投稿しよう!