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「そう思うのならそうかもしれんな、だが、カイザーは多額のお金で雇われているとも言われているし、ただ、民が税金で苦しむのを嫌うために闘っているというものもいる。カイザーは列記としたプレイヤーだよ」
なんだか、ちょっぴし興味がそそられた。そのカイザーの気持ち、カイザーが何を目指しているのか? しかし、今は強くなることである。セイハツ老人が、ただ一言呟いた。
「その巨人、どこにいる?」
すると、女主人である酒場の亭主はにやりと笑って、親指を吊り上げた。
「払っておけ」
セイハツ老人が、唸る。
俺は、懐から、一万ゴールドを取り出すと、渡した。すると彼女が唐突に語ってくれた。
ウィスキンはやはり饒舌であった。
■■■
「それで、ここに着たけどさ、何をさせたいわけ? お師匠」
「考えても見れ、巨人がいるんだぞ? そそられるだろ?」
「で、俺の修行は?」
セイハツ老人がにやりとまた微笑んだ。そして、指を指した向こうには、巨大な、そう、ビル二十階立てくらいの、ゾウガメがいた。信じられるか? そんな巨大なゾウガメがいるんだぜ?
「あれを倒せ」
「無茶言うなよ、俺なんかあれ、オブジェクトとしか捉えてなかったんだぞ。信じられねーだろ」
「あれは、真実の亀だよ、超上級の技が二十回も使える、優れものじゃ」
「そりゃ、見たけどさ、確かに見たけどさ」
確かに、上級魔法の習得の覧を一通り見つめて、一番危険だと思ったやつだった。
「なんで、一番危険なやつくるかな?」
「まぁ、勝負あるのみじゃ、行ってみよ、知っているか? 真実の亀は、敵の心によって、強さが変わる。お前の心が弱ければ、弱い、強ければ強い、ただそれだけだ」
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