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「お前、史上最強の武器を外してんじゃねー、亀さんが素っ裸じゃねーか」
「本当だ。全裸だね、いやらしい、そんな目で、私を見てたの? 最低いいい」
「お前に言われたくねーわ。よし、俺がなんとかする。お前は駄目だ。もう最悪だ」
俺は、聖なる剣を滑らせる。ただ滑らせまくる。もちろん、巨人の衣服から手を離した。つるっとすべったまんま、どんどん威力があがっていく、足も速くなる、つるっつる。すべる。剣が亀の皮膚を突き破る。まだまだ。つるっとスベル。もっとだ。もっといけ、つるっとスベル。師匠の頭のようにつるっつる。
もはや、音速を超えていた。つるっつる。いや、まて、これ、単なるスケートだろ。
俺は平全としながら、剣を勢いのままに、脳天に突き破った。ばくんといって、大きな亀が消滅した。エフェクトになって、消え去った。
俺は空中に放りだされた。ぬれている草むらにつるっと滑り込む。
まさか、こんな使い道があるとは知らなかった。ありがとう師匠、そして、その頭のつるっぱげ具合にありがとう。
俺は巨人を見据えた。巨人は小さくなっていた。これまた小さくて、可愛いサイズになっている。それも、膝丈サイズ。
「お前は、幼稚園児か!!!」
当たり前の突っ込みであった。
「幼稚園児で、何が悪いのだ。私は、幼稚園でもVRMMOをやる権利をと母親に贅沢に言ったのであるのだ、それこそ、私の特権、いつでも、私の巨大サイズを見て堪能するがよい」
なんか性格変わったな、彼女がまた巨人化した。
「どうやら、呪いが常備スキルになっちまったようでちゅね」
彼女が赤ちゃん言葉で継げた。
「すげーむかつくけど、それで、大丈夫だろ、じゃあな、俺は修行があるから」
「そうだ、私もついていくぞ、この際、お前と一緒なら楽しそうだ。あのつるっつるをもう一度見せろ、私も滑ってみたい」
「あれは遊びではありません」
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