幸せ家族の作り方

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「初シェーブルの感想は?」 『意外に美味しかったよ』 ドラマ仙台ロケ 「俺は無理」 『変態なのに?』 PC画面の向こうの鈴が笑ってる 「関係あんのかよ、それ」 『素也さん持論だけどね』 「あの野郎の持論なんてどーでもいい」 携帯電話にカメラが付いて 『遊ぶにしても、証拠写真が残るわ、現場なう画像求められるわ、クソ機能でしかねーよ』 悪さしてる奴らはグダグダ言ってたもんだ こういったスカイプも、悪さ発覚に繋がるのかも知れねーけど、俺にとっては、まじでスカイプ神様 離れてても、こうして顔を見て話せるんだもんな 『撮影は順調?』 「俺が天才って知ってて聞く?」 『いや、初めて知ったし(笑)』 「相変わらず小生意気だな、鈴先生よぅ」 『相変わらず偉そうだね、響先輩ってば(笑)』 俺の癒し 笑顔を見れただけで、疲れが取れる未知なる鈴パワー 『ねぇ、響』 鈴の顔から笑顔が消えて、声のトーンが低くなる 「どした?」 ただそれだけで、何を言い出すのか心配になるのは 離れているからなのか、色ボケだからなのか・・・ 『響の誕生日、日曜日なんだよ』 「4月4日?」 だけどやっぱり 『うん、【オカマの日】』 「は?」 ブレることはない鈴 3月3日は女の子の日 5月5日は男の子の日 間だからって 「喧嘩売ってるよな、お前」 オカマはねーだろ(笑) 『幸せの日でもあるよね。4と4を合わせた日』 また鈴の声が、低くなって 『アタシ、すっごく幸せなんだよね』 照れながら、俺に微笑んだりするから 「ん」 釣られて緩む俺の頬 『その幸せをさ』 なぁ、鈴 『アタシの家族にも、そして何より』 お前は、この俺を黙らせることができる、唯一無二 『神威家に見てもらいたいなぁって』 お前は、この俺を簡単に感動させることができる天才 『響は、今、幸せですか?』 俺が今、幸せじゃなかったら この世に幸せなヤツなんかいねーよ 「はぁ~」 『ここでそのため息はひど過ぎるよね?(笑)』 「お前は、どうしてこう・・・」 離れてる時に限って、俺の心に染み渡るようなことを言う? 「幸せなわけねーだろ」 ムカついて悪態をつく 『はいはい(笑)』 これ確実に、惚れたら負けってやつだな(笑)
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