塩屋

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最近よくJRは遅れる。 今日もどこかで故障があり、少し発車時刻が遅れるとアナウンスがあった。 しかしかなり早くに出勤している僕には影響は無さそうだった。 昨日の帰りに聞いた彼女の事。 名前はミサ。 どんな字を書くのかまではわからないが、それだけで親近感を覚えた。 歳は僕よりは年下。 そして…、彼氏は五年居ないが気になる人がいる。 そうやって彼女のパズルが僕の中で出来上がって行く。 電車が揺れて動き出す。 今日の彼女はレンガ色のジャケットに紺のタイトスカートの筈だ。 それに、そろそろコートを羽織る時期かもしれない。 彼女の乗ってくる駅に電車は入って行く。 今日も先頭に彼女は並んでいた。 ほら、レンガ色のジャケットだ…。 僕は微笑んで文庫本に視線を落とした。 彼女はいつもの様に僕の前に立ち、バッグから文庫本を出した。 昨日とタイトルが違う。 昨日帰ってから読み終えたのだろうか…。
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