塩屋

9/27
前へ
/27ページ
次へ
朝の表情と違う彼女の顔に見惚れる。 「美味しかったね、あの店」 「うん。白身魚の…なんだっけ、フリッター、あれが好きかも…」 「お酒も美味しかったし」 どこかで飲んで来たのか、上機嫌に三人で話しをしていた。 「ミサが頼んだアレ、何だっけ…」 「酒呑童子でしょ…」 「そうそう、あれが好きだわ…。京都のお酒って言ってたね」 「宮津って天橋立の近くのお酒だよ」 ミサって言うのか…。 僕は彼女の名前を初めて知った。 彼女の秘密を少し知った気になり、僕は嬉しくなった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加