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Data.4
「ふぅ……困ったものね、レリアにも」
沁慰が香港にある自宅別荘のリビングでソファに座り、景・雪の報告を聞きながら呟いた。
「仕事の方は完璧なのですが。正直、彼女のコントロールは出来かねます」
景・雪はそういうと、運んできた中国八大銘酒に選ばれている酒、江蘇洋河酒・天之藍を氷の入ったグラスについで、沁慰の側へ置いた。
一本480ml、日本円で約四万弱する高級な酒だ。
「まぁ、レリアは育ちが育ちだから、自由なとこはしょうがないかもね」
グラスを持った沁慰は、嬉しそうな表情を浮かべながら、天之藍を口にして言った。
沁慰は、日本にいるときは韓国整体院をやっているのもあって、いつも白衣を羽織っているのだが、今日は休暇というのもあってか豪奢な毛皮のコートを羽織っている。
ウェーブのかかった長い黒髪に、細い足がさらに細く見える黒ストッキング。
深いスリットが入った青色のチャイナドレス。
タレた目つきが挑発的で、長いまつげと湿っぽい唇をしたセクシーな女性、宇慶沁慰。
彼女の年齢は謎に包まれている。
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