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それから、内海ななせの名はあっという間に学校中に広まった。
授業はサボりがちなのに成績はいつでもトップ。運動神経もよく、校内一の美人だ。
だが、かなり気まぐれで、近寄りがたい。
常に注目の的でありながら、いつでも独り。そして退屈そうだった。
私は何をしても勝てなかった。
それどころか、内海ななせの視界に入ることもできなかった。私は彼女を意識せずにはいられないのに。
悔しくて、悔しくて、強引に彼女の視界に入り込んだ。それが、更に私を苦しめる選択だとも知らずに。
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