42人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
銃声で目が覚めたのか、サンがアサルトライフル M16自動小銃を構えて出てくる。
「おっ! 起こしちゃったか?」
リャンがそういうと、サンはすぐに状況を理解したようで、いつも通りに私たちへ案を出す。
「このトラックをもらいましょう。それで敵陣へ」
決定権は常に私にある。
だが私は、一応リャンとスーへ視線を送った。
2人は何も言わずに頷く。
「車の中にIDがあるはずです」
サンは返事を聞かず、すでに行動に出ていた。
私たちが、断らないことがわかっているからだ。
やはり私たちは、言葉がなくてもある程度は理解しあえる。
「あったよ」
リャンがトラックの中からIDを見つけた。
私は言う。
「だいぶ時間も短縮できそうね」
「えぇ、それに体力の温存にもいい」
サンがそう言い、私たちはピックアップトラックに乗り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!