シェン・イーロン その3

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銃声で目が覚めたのか、サンがアサルトライフル M16自動小銃を構えて出てくる。 「おっ! 起こしちゃったか?」 リャンがそういうと、サンはすぐに状況を理解したようで、いつも通りに私たちへ案を出す。 「このトラックをもらいましょう。それで敵陣へ」 決定権は常に私にある。 だが私は、一応リャンとスーへ視線を送った。 2人は何も言わずに(うなづ)く。 「車の中にIDがあるはずです」 サンは返事を聞かず、すでに行動に出ていた。 私たちが、断らないことがわかっているからだ。 やはり私たちは、言葉がなくてもある程度は理解しあえる。 「あったよ」 リャンがトラックの中からIDを見つけた。 私は言う。 「だいぶ時間も短縮できそうね」 「えぇ、それに体力の温存にもいい」 サンがそう言い、私たちはピックアップトラックに乗り込んだ。
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