シェン・イーロン その4

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「ここからは重装備を解いて、最低限の装備だけ持って行きましょう」 車の燃料が半分を切っていたのもあったし、ここまで車で来れたので全員体力的に余裕があるから、とサンが提案した。 もちろん、私たちはそのとおりにする。 「その前にエネルギー補給しようぜ」 そういったリャンが、荷台の木箱からリンゴとってみんなに渡す。 「まったく、しょうがないな」 「いいじゃない。エネルギー補給も大事よ」 「ぅん……」 それを見て、サンが(あき)れた顔をしたが、私がフォローし、スーも(うなづ)いた。 そして4人とも笑い出す。 こうしていると、私たちは本当の家族のようだ。 ……家族。 嫌なことを思い出すな――。 「さすがだな。お前は私たちの宝だよ」 「本当ね。親として鼻が高いわ」 私には姉がいた。 姉はモデルのように美しく、愛想はいいが誰にも(こび)ず、何をやらせても天才的だった。 そんな姉と違って、私は努力してなんとか人並み。 当時、よく1人で思っていた。 ……私がいくら努力したって、誰も私を見てくれない。 お父様もお母様も、姉様がいればいいんだ……。 私はいらないんだ……。 「最近、元気ないわね。何かあったの?」 姉はそれでいて優しかった。 私はそんな姉の優しさが憎くて、よく反抗的なことを言った。     
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