シェン・イーロン その5

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だけど私は、今回のターゲットであるサイードという男に、個人的に訊きたいことがあった。 「今回は、私に行かせてもらえないかな?」 私はめずらしく自分の意見を、皆に伝えた。 3人とも驚いた様子で、目と口を大きく開いていた。 それからサンが話し出す。 「……いいかもしれない。リャンだと派手になる可能性もあるし」 「はぁ!? なんだよそれ? まぁ、イーがやりたいって言うなら別にいいけどよぉ」 思っていたよりすんなり話が進んで、逆に私が驚いてしまったが、やはり心配なのか、サンに忠告される。 「ただし、メインはスーでお願いします。イーはあくまで補助」 当然だ。 私は一応スーに声をかけ、反対じゃないかどうか確認してみた。 「スーはそれでいい?」 「ぅ……うん!」 よかった。 特に不満はなさそうだ。 「失敗すんじゃねぇぞ。4人だけで敵の本隊と銃撃戦なんて、いくらうちらでも確実に死ぬわ」 私とスーが建物内に乗り込もうとすると、背中からリャンの声が聞こえてくる。 このセリフは彼女なりに私とスーにハッパをかけているのだが、そうとわかる人間はDG21のメンバーと父さんくらい。 他の人間だったら、ただ単にプレッシャーを感じるだけだ 私たちは建物の塀を乗り越えて、中庭へ。 草木に身を隠しながら、周囲を見渡す。     
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