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今でこそ仲良くやっているが、あたしとサンはよくケンカをした(今でもたまにあるけど……) 。
酷いときは殴りあうまで揉めることもめずらしくなかった。
きっかけはいつもつまらないことだった。
サンの言い方が細かすぎるとか、あたしの態度にサンが文句をいったりとか、その程度のことだ。
殴り合いでは、あたしの方が力も技術もあったので、一方的になることが多かった。
サンの首に腕を回して地面に倒し、顔面を殴りつける。
あたしは手加減せず殴った。
いつまで殴り続けた。
それでもサンは表情を崩さず、ただ顔に青あざを作り、鼻と口から血を流すだけだった。
泣かせる気でやったあたしは、それを見てさらに苛立った。
弱いくせに、強がってんじゃねぇ、と。
ケンカの止め役はいつもイーだった。
もしイーがいなかったら、あたしはサンを殺してしまったことがあったかもしれない。
それからあるときに戦場で、あたしが1人孤立してしまったことがあった。
部隊とはぐれ、敵に捕まりそうになったが、1人で敵陣に飛び込んでくる奴がいた。
それはサンだった。
普段、あれだけあたしにやられているのに、彼女はあたしを助けに来た。
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