シェン・イーロン その2

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シェン・イーロン その2

私たちのミッションは特殊なものが多い。 その多くが敵地に入り込んでの暗殺。 今回の仕事も暗殺が目的だ。 私たちの仕事のほとんどは徒歩での移動である。 目的地からかなり離れたポイントで、上空から降下し、そこからただひたすら歩き続ける。 フル装備での強行軍はベテランの兵士でも苦しい任務だ。 基本的な兵士の装備は、総重量が50~70kgと言われる。 私たちは非力なので、そんな重さを持っていては戦えない。 ヘルメット、ボディアーマー、ジャングルブーツも会社が用意した特注品で、すべて私たちが動きやすくなるために軽量化されている。 それと銃器類やサバイバルナイフに、最小限の必需品、食料と飲料水を加えるくらいだ。 うちの民間軍事会社は、私物を持ち込むことに規制はないが、私が持ち歩いているものは一枚の写真だけ。 DG21のメンバー全員と父さんが写っているものだ。 これは私にとって軍神である。 「目標の町までどのくらいだっけ?」 リャンがど忘れしたのか、皆に訊いた。 「5時間よ。私たちのペースならぁ10分前に……。でも、森林地帯というのも考慮してみると、5時間30~40分はかかると思うわ」     
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