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シェン・イーロン その4
トラックに乗り、目的地へ向かうため、森林を出て道路へ。
運転は私、助手席にサン、荷台にリャンとスー。
荷台には、食料が詰まった木箱と固定された機関銃あり、リャンがなにやら弄っているようだった。
サンがそれを見て言う。
「もし、このトラックとやりあっていたら、確実に足止めを喰らっていましたね」
そのとおり。
トラックに機関銃をつけただけでも、歩兵相手なら十分に脅威となる。
ただ私たちの場合、サンの言うとおり、あくまで足止めであって脅威ではなかったが。
私たちは、これから検問を通過するため、先ほどの3人の服を脱がして着ていた。
サイズは少々大きかったが、違和感はないので安心だ。
服は3人分しかないので、スーには捕虜役になってもらう(そもそもスーには服が大きすぎた) 。
奪った服は血や泥で汚れていたので、より汚すことで誤魔化すことにした。
しばらく道路を走っていると、町らしきものが見えて来る。
おそらく目的地だ。
なにか燃やしているのだろうか?
夜の空にオレンジ色の光が見える。
「もうすぐだな。やっぱ車は楽でいいやッ!!!」
リャンが荷台から大きな声で言った。
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