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秋晴れの中、女子大生二人が道を歩いていた。良く喋る方は髪色も明るく、化粧にも時間をかけていた。聞き役の方は黒髪で、大きな眼鏡をかけていた。
二人は、小さな店が立ち並ぶ通りを歩いており、通りに向けて商品を並べている店主に声をかけられた。明るい髪の大学生は、聞こえないふりをして立ち去った。一方、眼鏡をかけた大学生は、店主の話に耳を傾けた。
暫く話した後で、眼鏡の大学生はブックカバーを買って店を離れた。そのブックカバーは古めかしく、二本の栞が編み込まれていた。栞の先端には、透き通るガラス製の飾りが結ばれ、それぞれ異なる色と形をしていた。
先に行った女子大生は、直ぐに離れたかったことで眼鏡の大学生を責めた。一方、眼鏡の大学生は相手に謝り、共に大学内へ入る。
大学で授業を終えた後、眼鏡の大学生はそそくさと帰宅した。彼女は、ブックカバーを机上に置くと本棚に向き合い、カバーをかけるべき本を吟味する。
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