第一章 1974年4月7日バルセロナにて

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もしこんな俺の経緯と今の心象風景をここバルセロナの人たちに述べたなら、いったいどんな顔をされるだろうか。前記したがドイツなど中央ヨーロッパ諸国と比べるならまだまだ一段階も二段階も生活水準の低いスペイン、就中バルセロナの人々でしかないのだ。生活実態のない、理解不能の異邦人?…とでも云われて笑われてしまうだろうさ。ふふふ。  荒い波がひとつ、またひとつと冷たい風を引き連れて浜辺に押し寄せている。それはちょうど「このみっともない日本人め、ここでいったい何をしている?!さっさとどこへでも行っちまえ!」と俺を責めているようだ。 (中途)              【バルセロナの浜辺】79a0948f-6928-46ef-b577-c767a8e330e6
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