第1章

5/5
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 言いたい。でも言えない。まさかチームメイトから告白されたとは。ましてや口説かれて、興味本位で肉体関係を結んでしまったなどとは言えない。さらには俺に素質があったのか、深みにはまって今もずるずるとその関係が続いていることなど言えるはずがない。なんたってうちのチームはスキャンダルに厳しいことで有名だ。  すました顔で首を振ると、監督はそうかと言ってビールを一口飲んだ。 「じゃあ私の方から言っておくことがある。最近の君はミスが多いせいか、妙に憂いに満ちていて、それが私にはいつにも増して色っぽく見えるんだ。今だってその悩まし気な表情。艶めかしいことこの上ない。私は、そんな君のことが……」  え?俺のことが欲しいと言ったのはそういう意味?  まさかの三角関係……ですか……。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!