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バサバサッと頭からゴミをかけられ、容赦なく蹴りが入る。 「うっ……!」 突き刺さるような痛みに、思わずお腹を抱えて地面に倒れこむ。直後、悪魔のような彼らの高笑いが頭の上から降ってきた。 「あは!ダセー!」 「まじ引くわー」 「たまにはやり返せや!つまらん!」 ひゃははは!と甲高い声で笑いながら、彼らは僕の頭をガッと殴った。 かけていた眼鏡がカシャンと落ちる。 「よし!日課終わり!どっか寄って帰ろうぜ」 「腹減ったー」 「まじでー何食う~」 ・・・良かった。終わった。 彼らの声が聞こえなくなった頃、ようやく僕はゆらゆらと顔を上げた。 「・・痛ったぁ・・・」 お腹を押さえてヨロヨロ立ち上がると、散らばったゴミを拾い集める。 ついでに落とされた眼鏡をゆっくりかけなおした。 「あーあ……今日も派手に散らかしたなぁ…」 これはいつもの事。 これが僕の日常だった。
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