陽風 心結

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「そろそろ、人が少なくなったし、勉強でもしようか。」 「はい!」 私の苦手な数学を教えてもらう。 先輩は、2年生で私は、1年生。 数学が好きな先輩は、微分積分を丁寧に教えてくれた。 そして、私は、左利きだから、シャーペンを持って居ない手で思わず、彼の手を握ると、彼は微笑んで、そっと繋いだ手を机の下に隠す。 そして、勉強が再開させた。 体が熱くなり、思わず俯いてしまう。 「ほら、勉強集中しないと。」 丘先輩は、苦笑いを浮かべた。 「うん。」 私は、急いで教科書を見る。 勉強なんて、集中出来なくて、それでも彼の側に居たかったから、何とか、教科書の問題をこなす。 「そっか、みゆは、教科書のこの辺りが苦手なんだね。 今週の土日、どっちか空いてる日有ったら教えて? 勉強、教えてあげる。」 「先輩に会えるの?」 「そうだね。」 「すごく、嬉しいです。」 私は、丘先輩に抱きついた。 すると先輩も抱きしめ返してくれる。 私、先輩にベタぼれだな。 丘先輩、私、丘先輩の事大好き。 ☆☆☆ 「そういう訳で、私、丘先輩とデートするの」 「ほー。 良いじゃん。 楽しんで来なさいよ。」 「うん。」 私は、昼休み、紗江子に昨日の事を話した。 紗江子、さえは、私の親友だ。 土日も何かと会う約束をして、いつも一緒に居るくらいだ。 さえは、スレンダーで可愛いと言うよりは、格好いい系の美人さんだ。身長が高くて、髪もさらさら、ダークブラウンに染めた髪が可愛いらしい。 「てか、丘先輩って、帝都大学医学部目指しているらしいじゃん、その先輩から、勉強教わるんでしょ、すごい、心結。」 「へへっ。」
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