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キヨカは手帳を奪い返し、ギザギザのページを悲しげに見つめた。
「今年イチの特ダネが……」
「だから、事実と異なるって言ってるの!」
「じゃあ、本当のこと教えてよ」
「絶対にイヤ!」
そう言いながら、私の頭は昨日のことを思い返している。
先日、キヨカに誘われて縁結びで有名な神社に行ってきた。そこで、ツーショット写真を撮ってお互い良縁に恵まれますようにと願掛けした。それをスマホの待ち受けにしていたら、カケルが目ざとく見つけて怒り出したのだ。どうしてこの前までは自分と撮った写真を待ち受けにしていたのに、それが女友だちにとってかわっているのかと。私は私で勝手にスマホをのぞかれたことに腹が立ったし、これはカケルとの恋がうまくいくようにという願掛けなのだと説明したけれど、納得してもらえなかった。挙句の果てには友だちと恋人どっちをとるかという話になり、互いに意地を張って恋人だとは言い出せず、結局私は友だちをとってしまったというわけだ。縁結びをしたはずが、とんだケンカ別れになってしまった。
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