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そうしているうちにあっという間に時間は過ぎ、私たちはテーブルについた。店内は温かみのあるカントリー風に統一されていて、木目を生かしたレトロな椅子、えんじ色のチェックのテーブルクロス、さりげなく飾られた花やブリキのじょうろ、オレンジ色の吊り下げ照明など、どこか懐かしい雰囲気に包まれていた。カケルがいたらはしゃぎそうだなと考え、すぐにそれを振り払った。
「あ、今カケルくんのこと考えてたでしょ」
キヨカがしてやったりという顔で微笑んでいる。
「考えてない!さて、何にしようかな。もうお腹ぺこぺこ」
メニューを開くと、どれもおいしそうな写真付きで目移りしてしまう。かなり悩んでから、私はハニーレモンと宇治抹茶の2つを選んだ。
混んでいるにもかかわらず注文してから運ばれてくるまでなかなかスピーディで、同じ飲食店員としてキヨカはしきりに感心していた。
もちろん、味も申し分なかった。ふわふわでもっちりした生地の上にかけられた、甘くて酸っぱい恋の味と、懐かしくて安心する味。やっぱり私にはどちらか1つは選べない。どっちも大好きで、私の人生に不可欠なものだ。
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