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この度の帰省では、発寒の病院に勤めていたときの友人、松本理香とも会うことになっている。
そこは私が看護主任をまかされていた病院で、理香は今もそこに勤務している。
修二さんのお父様が理事をされている病院だ。
そこで修二さんは薬剤師をしているのだと思い込んでいたけれど、六月に偶然会ったときは、平日だというのにルパンと公園を散歩していた。
もしかして後遺症がまだ残っているのだろうか。
それとも、もう薬剤師は辞めて、小説家になってしまったのか。
麗奈さんとの赤ちゃんはどっちが生まれたのだろう。
修二さんのことは、忘れなければいけないことはわかっている。
だけど、ふと気がつけば、そんなことばかり考えている自分がいる。
理香に聞けば、大体のことはわかるような気がする。
とにかく修二さんの後遺症がちゃんと治っているかどうかが、気になって仕方がなかった。
私のハンドル操作のミスで起こしてしまった事故だから。
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