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「そう。他の妹はまだ稼働してないんだ。今開発中なんだって。その情報収集用機体がオレ。生体ロボット法が制定されてから日が浅いけど、あれは情報収集用機体は人間として登録可能な法律なんだ。生きてみなきゃ解んない事を経験できるからオレ的にはいいんだけどね。」
そしてこう付け足した。本来ならばバイオノイドは動物以外法律的に許されてないと。
「ショッピングセンターの前で下ろすよ。買い物はこのカードで済ませて。駐車場に止めてくるから。」
「何このカード。知らないんだけど?」
「博士からもらった支度金。ファミリーカードって知ってるでしょ?家族ならだれでも使えるクレジットカード。生活必需品なら問題ないでしょ。ついでに服も買おう。」
「そういえば、その服どうしたの?」
「博士からの仕送り。」
「…私が男だったらよかったのかしら?」
あきらめにも似た感情をこぼす。ジェンダー論で言っても私はストレート。ノンケである。
男になりたいとも思わないし女が恋愛対象という事でもないがLGBTを否定する気もない。
こう言うと要は重いため息とともにこう語った。
「自分によく似た娘が生まれて大層喜んでたよ、博士は。オレも嬉しかった。戸籍上とは言え現実の妹が生まれた事が嬉しかった。プロジェクトナンバーの妹とかは意味が違った。あの子たちは妹ではあるんだけど友達関係に近いから、兄妹って感じじゃないし。」
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