第1話 不思議なドールと平凡ネコ好き女子高生

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その声の主はパートのおばちゃんの一人、今枝さん。詳しく聞いてみると旦那さんの仕事は遅くなるらしく家で待ってるおチビちゃんたちが飯食えない事態になってるようだ。 「忘れてた、…雑穀ともち麦ごはんどっちがいい?」 「もち麦ごはんで。今からの方が都合いいですね、お米事情的にも。」 「レジ閉め、終わった?」 「終わってる。」 「チビたち迎えに行って。こども食堂開店するよ。猫アレルギーいないよな?!」 「食物も猫もない!!車借りるね!!」 「お代は一人500円×食う人数ね。ガソリンついでに入れてきて。はい、ガソリン代。棗ちゃん、今からカツ揚げて。人数分。今枝さん、裏口から入って。」 「イエス、マム!!」 その後到着までに仕上げなきゃいけないというので、キッチン組は戦争状態に突入したけどその時の店主さんは、スタッフルームでコーヒー飲みながら経理をやってた。何も仕事してない訳じゃないんだって。 「ただいま、芳ちゃん!!ガソリン入れてきたよ、チビたちもつれて来た。」 「おし、お前ら順番に手ぇ洗え。今日はカツカレーだ。」 「「「はーい」」」 「サラダ出来ました。ビュッフェ形式にします。」 レタスを敷いた皿の上に山盛りにしたポテトサラダを出してトッピングのプチトマトを並べる。取り皿を人数分並べて比較的取りやすいカウンター席に並べる。 「了解。カツ揚がった。取りに来い。」 次に揚げたての見事なきつね色のトンカツが並べられる。 「ドリンク何がいい?」 「ドリンクサーバーにオレンジジュースとコーヒー詰めて!!あと紅茶!!フレーバーウォーターも!!」 ドリンクコーナーで作業してた店主さんが芳さんに質問すると怒号のような返事が帰って来た。 「私は!?」 慌てた今枝さんは指示を仰ぐがこれまた怒号。忙しくって周囲に気を配れないのは御愛嬌。なにせ苦手な揚げ物を作ってるんだもんね。
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