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ともだつ
「あーなぁ昨日また面白いことつぶやいてたよ」
「へー」
「今日あたりライン来るだろうなーもう来た?」
「んーん」
「そっかじゃあドキドキだな」
「んー」
「ユーリ好き?」
「んー」
「おー。超好き?」
「んー」
「めっちゃ好き?」
「んー」
「なまら好き?」
「んー」
「こじゃんと好き?」
「トム」
「んー?」
「どした」
「あーーなーーー?」
なー?て言われてもな、という一瞥をくれてから、綾瀬は不揃いな長方形の木片たちに紙やすりをかける作業に戻る。玉城はウッドブロックの円柱を前に彫刻刀をペン回しして、机に両肘を乗せ直した。
「父さんがまーた浮気してるくさいんだよなぁ」
おがっあぶね、と離れた所で声が聞こえた。誰かが怪我か失敗をしそうでしなかったようだ。
「なんでわかんの」
「気配。帰宅スパンと土産のカラー。おれ探偵になれるよ」
「なれし。営業より合ってね」
「なろーかなぁぁぁ」
「母わかってんの」
「今月中には気付くな。でまたコールドウォーだよ。もう救いようがないのか?」
「泣けば」
「うっ、うぅえぇぇぇ」
「家で」
「新技。効くかもな。ハイティーンの息子が爆泣き。Daddy don’ betray my moooooooom」
「こえ」
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