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2019年4月30日、ワルプルギスの夜
声がした。
「・・・よ」
その声は、初めはかすかに聞き取れる程度だったが、徐々に強くなった。
「・・・めよ」
声が強くなると同時に、脳内に様々なイメージが駆け巡った。
東北にあるキリストの墓、地球に降りてくるUFO、半獣半人の怪物、額に第三の目がある人間、海中に没する巨大大陸...
声はさらに強くなった。
「目覚めよ!!」
...気付くと息切れしていた。
8畳1Kのアパートで目を醒ます。大学生、一人暮らし。
時刻は午前5時。日の出は過ぎているが、まだ街は眠っている。
それにしても何だったんだあの夢は。オカルト雑誌を凝縮したような内容だった。
しかも目覚めよ!って...キリスト教系の宗教団体みたいだ。
とりあえず歯でも磨いて二度寝するか。何しろ今夜は忙しい。体力を温存せねば。
今夜は、ワルプルギスの夜なのだから。
こうして2019年4月30日は始まった。
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