1.契約開始

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次の瞬間。 「!!」 彼の唇が、私にそっと重なった。 優しく愛おしむような口づけに、胸の鼓動が早くなる。 (!?!?) 突然の事態に驚いたまま、綾部くんのキスに翻弄されそうになった私は、はっとなって我に返ると、身体を引き離すように彼の両肩をぐっと強く押しのけた。 「なっ・・・なに!?突然っ・・・!」 赤面しているだろうことを自覚しながら、視線をそらして彼に問う。 すると、彼は驚いたような怒ったような顔をして、私のことを見つめてきた。 「なにって・・・。まさか、覚えてないの?」 「え・・・?覚えてないって・・・?」 「・・・おまえ、昨日・・・」 綾部くんが口を開きかけた時、廊下から「あれー?もう誰かいる」という声が聞こえ、私は慌ててソファの上から飛び降りた。 素早く髪を手櫛で整え、スカートのしわを伸ばし、襟を直そうとブラウスに手をかけたとき。 (えっ・・・!?)
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