THE WAY WE WERE

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昔見た映画がBSでやってたので、何年かぶりに懐かしく観賞した。 まず、邦題の「追憶」だが、これはまったくよろしくない。 有名なテーマソングの「MEMORIES・・・・」から得た発想だと思うが、この映画をただの若かりし頃の恋の思い出、とするには内容が濃すぎる。 英語のWAYには「道」という意味と「やり方」という意味があるが、この題名では明らかに両方をかけている。どうにも変えられない二人のあり方がその後の人生を形作り、それぞれの道を一緒に歩むことのできなかった、悲しくも美しい愛のカタチがこの映画のテーマであり、だからこそ見たものは心を揺さぶられるのだ。 アメリカのテレビドラマ「SEX AND THE CITY」でキャリーたち独身女性がこの映画の話になると 「I LOVE THAT MOVIE!」と叫び、ニューヨークのしゃれたカフェで、テーマソングの錆の部分を歌いだす。 この映画はどうも女性に人気があるようだ。バーブラ・ストライサンド演じるケイティの魅力に比べるとハンサムだけど優柔不断に見えるロバート・レッドフォード演じるハヴルはどうも歯切れが悪い。 堅物のいけてないキイキイ女がイケメンだけど中身空っぽのかつての同窓に入れあげる、くだらない恋愛映画。とこき下ろしている誰かのコメントを読んだことがある。なんでケイティがハブルに魅力を感じるのかわからない、とその人は書いていた。 でもハブルの魅力は、大学生の時に彼が書いた小説を思い起こせばわかる。 「彼は彼の国に似ている」 彼の小説はそんな文章から始まる。小説の中身のすべては映画の中で紹介されないが、ケイティがうっとりと聞きほれているところから、その内容は想像できる。
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