THE WAY WE WERE

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彼の国アメリカという国。昨今トランプが「かつてのアメリカ」と叫んでいるまさにそのアメリカだ。人種差別、貧富格差、戦争への情熱、、、、。自分さえよければいいともとれる物質的豊かさの裏に、存在する社会の問題。アメリカの光と影。 ハリウッドやウォルトディズニーが代表するような夢と魔法の国アメリカ。そのなんとも伸びやかな明るさそのもののハブル。社会の闇をとても放っておけないケイティもその魅力は認めざるを得ない。闇を笑い飛ばすことで何とか均衡を保っているアメリカのエンターテイメントが生み出しているものもまたその闇を救うことがあるのだ。 世界には命をつなぐ食事にさえ不自由している国の人々がいる。だからといって、豊かな国に住む我々が自分の今日の給料をすべてその人たちに差し出すべきだ、ということはない。だが、そのぐらいの熱意をもって活動している人々がいるからこそ、自分たちの物質的豊かさを時には疑う私たちがいる。 トランプのいう強いアメリカを恥じながらも推す人々のいる一方で、力強く反対する人たちがいるのがアメリカという国だ。だが優位にたつのは、やはり自分たちの幸福を望む国民性。それは愚かというより無邪気で愛さずにいられない魅力を秘める。 ケイティは、分かっている。自分の活動が国を変えることができないのを。ハブルを変えることができなかったように。でもやめることはできない。それでも魅力的な人であり、国なのだ。その国民性ゆえにそうして活動している人たちを、下に見ながらも実は羨ましく思ったりもする人たちもいる。
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