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映画「桐島、部活やめたってよ」で主人公のひとり、ヒロキが野球部の先輩がまぶしくて、その前に立てないほどの引け目を感じている場面がある。その先輩は高校3年の秋なのに、部活に参加し夕方ひとりで素振りをする。理解のできないヒロキに対し、その先輩はこう言い放つ。
「ドラフトが終わるまでは、な。」
無論ドラフトでどうにかなるような立場でないことは本人も自覚している。でも彼にとっての野球人生はそうせざるを得ないのだ。勝ち組は桐島であり、おそらくはヒロキでもあるだろう。ハブルがそうであるように。
だけれども、ラストで
「I,M A GOOD LOOSER]
というケイティに
「BETTER THAN I AM」
と言うハブル。
妥協ができた人間が掴むことのできた幸福と妥協の出来なかった人が掴むことのできた幸福と、それは得た者だけが知りえる種類の幸福で、それは歌の中で
TELL ME WOULD WE? COULD WE?
と問いかけているようにおそらくやりなおしたとしても、それ以外にはできなかったそれぞれの道がそこにすでにあったからで
それこそが
THE WAY WE WERE.
なのだ。
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