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僕は息を殺して、獲物を待つ。
「あ・・・きた!」
次に出現したのは、犬の散歩をしている隣町のイカツイおじちゃんだ。
犬の名前は知ってる。
いつも学校帰りにパンをやるんだもん。
ショウだ。
いや、違う・・・ロン?
あれ・・・?
えっと、なんだったっけ・・・
名前を思い出そうと考えていると、目の前まで獲物が来ていた。
やばい!
だから僕は慌てて犬の名前を呼んだんだ。
「ショウロンポウ!!!」
あれ……
違った……?
「・・・・サムゲタンだが」
惜しい!!
「負けました。ごめんなさい」
僕は本を5枚ほど破って、サムゲタンに咥えさせた。
すぐにおじちゃんが、取り上げて舐め回すように見てから胸ポケットにしまいこんだ。
その時、ポケットからちらりと銃ようなものが見えた。
「ありがとな、坊主」
「あ…あ……兄貴!」
良かった。
この方々は釣ってはいけない。
たぶん胸ポケットの水鉄砲で、本もろとも打たれて滅びてしまうところだった。
レベル8……さすがだな。
お婆ちゃん、命拾いしたよ、僕。
さぁ気を取り直して次の獲物を待とう!
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