銀の王子と金の竜

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近づけば近づくほど茨の光は強くなっていきます。 茨の目前にまで来た少女は本当にこれが魔法のものなのだと改めて驚きました。 顔を近づけると中に囚われた王子の寝息が聞こえてきます。 間近で見る王子は絵画のように美しく、ずっと見ていると恋をしてしまいそうな程でした。 少女が王子に手を伸ばしたとき、空から強い風が吹き思わず目を瞑りました。 そうして目を開ければ、そこにはあの金の竜がいました。 こうして足元に立てば、いつも遠くで覗き見るよりもそれはずっとずっと大きな竜でした。 少女を見つめる金の両目は、いつもの王子に向ける優しさはなく怒りに染まっています。 少女は震えながらも声を振り絞って叫びました。 「逃げて!」
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